情報漏洩とブログ

ブログを書くことが、世間ではとても普通なことになっている今だけど、会社勤めをしていると、開かれた場所に文章を書くことにはかなり気を遣う。それは、ちょっと思ったことを書こうとしただけでも、それが意図せずして会社の情報漏えいにつながってしまう可能性があるからだ。自分の会社がダメージをうけるだけならまだしも、お客さんの個人情報漏洩につながったり、協業している企業との NDA に抵触したりすると、後で大変なことになる。

そういうことを考えると、結局のところは趣味の話とか家族のプライベートな話とか、当たり障りのないことしか書けない。あんまりそういうことを気にかけずに書いているように見受けられる人もいるけど、多くの人はそういった当たり障りのない内容になってたりする。mixi みたいな SNS では、始まった当初はそういった仲間うちにしか話せないようなことも書けた感じがあったけど、今では「第三者に容易に転載される」という意味で、普通のブログに書くのとほとんど変わらない状態になっている。twitter にしても状況は同じで、やはり当たり障りの無いことしか書けない。

仮にブログを匿名で書いていたとしても、どういうきっかけで実在の人物と結びつくかわからない今日この頃でもあるし、迂闊なことは書けないことには変わりはない。私の場合、あえて実名は伏せた状態で、たぶん見る人が見たら誰か分かると思うので、やはり仕事のことは書けない。

しかし、仕事のことが書けないってことは、日々の自分の時間のうちの大半に起こったことが書けないということで、それはブログに書くことがほとんどないってことでもある。そういった会社勤めの身にありながら、情報漏洩にならないような内容で、なおかつ読む価値のあるブログを書いている人たちは、ブログを書くために、会社の業務とは関係なくそれなりの努力をしていることは間違いないと思う。

個人的なことをいえば、いろいろな知識を文書化して他の人たちと議論すること自体が結構好きなので、日々の生活の中で思ったことを文書化して公開できないという状況はなかなか悩ましい。勝間和代氏のように、むしろそういうことを書くことを仕事にしてしまえばいいのかもしれないが、それはは自分のやるべき(やりたい)仕事ではないので、そうもいかないし。

しかし、そういう意味では、皮肉にも今のように仕事を完全に離れた状態にいるほうが、日々のことをブログに素直に書けるようになっていると思う。これまで、思ってはいたけど書けなかったことも、少し整理して書ければと思っている今日この頃。