MTG カード与太話「神々の軍勢」より「希望喰らい」


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希望喰らい/Eater of Hope

スタイリッシュなデーモン。最初は悪役だけどあとで味方になる、ダークサイド発のヒーローといった位置付けで出てきそうなキャラっぽい。それはともかく、MTG 初期のデーモンはどれも禍々しい絵で、いかにも「悪魔」という感じがしたけど、最近のデーモンはずいぶんとスタイリッシュな感じになったよね。pit 様みたいに雇用主に問答無用の犠牲を要求することも少なくなり*1、仮に犠牲を払うにしてもそれを選択できることが増えた。長年のデッキ内のクリーチャー枠争いのせいか、過大な犠牲を要求しつつ見た目がアレなデーモンはどんどん淘汰されてしまった。「強いものが生き残るのではなく、イケメンが生き残るのだ」というダーウィンのお言葉は MTG 界でも適用されるらしい*2

このデーモンも、最近の流行にのっとって(?)犠牲は選択的に払うことができるようになっている。能力的に言えば、微妙に劣化した 闇の特権/Dark Privilege と、生け贄が2体になった骨の粉砕/Bone Splintersを内蔵したようなデーモン。飛行クリーチャで 6/4 というサイズは珍しいようで、これを除けば至高の審判者、イスペリア/Isperia, Supreme Judgeだけらしい。イスペリアが多色にしても6マナであるのに対して、単色で、かつ能力の起動に生け贄を必要とするこれが 7 マナというのは、やや重い感じがする。5/5 飛行+α のレアドラゴンの標準が、色マナ2つを含めた 6 マナ程度であることを思えば、サイズの割には重めのクリーチャーだと言えそうだ。

重さの訳があるのかと思って調べてみたところ、デーモンで再生能力があるのは意外にもこれしかいないらしい。クリーチャーを直接破壊できるデーモンも思いの他少なく、無条件で破壊できるのはこれ以外では Minion of Leshrac と影生まれの悪魔/Shadowborn Demon の2体だけのようだ。 Minion of Leshrac は無条件に生け贄を要求し、要求に応えなければふてくされて寝てしまう伝統的なデーモンだった。一方で影生まれの悪魔/Shadowborn Demon は近年のデーモンらしく、生け贄は要求するものの条件付きだし、最悪自分自身が墓場に行くだけで許してくれる*3。つまりこれは、デーモンとしてはやや新しい業務に乗りだした、スタイリッシュなパイオニアということで、給料が標準よりややお高くなったということなのかもしれない*4

*1:あまつさえ、メリットしかないデーモンすらいる始末

*2:嘘です。

*3:努力の甲斐あってか、スタンダードのデッキでもそこそこ席があるようだ

*4:多分スタイリッシュは無関係