ギルド門侵犯 カード与太話: ダスクマントルの予見者、破壊的な逸脱者


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ダスクマントルの予見者

闇の後見のようで、多分全然違う使い方をするカード。軽めのビートダウン系のデッキで、コントロール相手に嫌がらせする目的で使うことを考えたくはなる。でも、これ自体が結構重い上に、青黒という色があまり軽いデッキ向きじゃない*1。4マナ 4/4 飛行というスペック自体は良いものの、何も考えずにデッキに入れると自爆しかねない諸刃の剣。活躍させるには、多少頭をひねる必要がありそう。どう頭をひねるかの妄想提案は、例によって各地で発表されているようなので、ここではやめておく。

4 マナ 4/4 飛行というスペックは悪くないと思って、過去のクリーチャーを調べてみたら、何のデメリットも制約もない 4 マナ 4/4 以上の飛行クリーチャーは塔のガーゴイル/Tower Gargoyleだけだった。3色のマナを使って、ようやくデメリットなしで 4/4 飛行が出せるらしい*2。Phelddagrif や探索するフェルダグリフ/Questing Phelddagrif は3色 4 マナで 4/4 が出るけど、飛行を得るにはマナが必要だし、相手にメリットを与えてしまう。このあたり考えると、2 色 4 マナで 4/4 飛行が出せているところから、こいつの能力はデメリットという扱いらしい。

ただ、死者の嘆き、崩老卑/Horobi, Death's Wailみたいに、使い方によってはデメリットを強力なメリットに変換できる可能性があるという点でおもしろい。個人的には青黒とかもっとも好きな色からほど遠い組み合わせだけど、何か考えてみたくはなるカードのひとつ。


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破壊的な逸脱者

絵を見ると、どう見ても人間じゃない。クリーチャータイプもホラーだし。それでいて、逸脱「者」という訳はどうなんだろうと思って、Aberration という単語について少し調べてみた。辞書的には生物的な「異常」を表す言葉らしい。同じ単語が入っているカードとしては、過去にエルフの逸脱者/Elvish Aberrationがある。これの絵を見ると、到底エルフとはいえない形相をしていて、逸脱というよりは「異形の者」という感じがする。

また、某 TRPGD&D で Aberration というクリーチャータイプがあり、それに属する種族として Mimic とか Naga、Will-o'-Wisp なんかがある。そのタイプについては、Wiki によれば「奇妙な能力をもつ、解剖学的に奇妙な構造のある、あるいはエイリアン的な」生物、と解説されている。ということは、元は人間だったかもしれないけど、何らかの理由で異形の者になったと解釈すれば、一応この訳語でも納得ができそう。といっても、ディミーア家自体が奇妙な生物の集合だし、今更このくらい奇妙だったところで、ディミーア家的には標準という気もするけど。

カード的には、ライブラリーを破壊しているうちにサイズがでかくなって、うっかり殴り勝ってしまいそうなクリーチャー。除去耐性も回避能力もないけど、相手がうまく対処でいないでいると大事件になりそう。ブロッカーとして立っているだけでも、そのうち勝てる(可能性がある)というのはある意味クリーチャーを逸脱していて、名前に恥じていない。こいつも何か考えてみたくなるカードのひとつ。

*1:少なくともスタンダードやブロック構築では

*2:アーティファクトであることは、場合によってはデメリットととらえられるかもしれない