ユーザが少なすぎて提供されないアプリやサービスを、継続的に提供できる仕組みを考える (妄言その1)

誰かが身銭をきって、無償でアプリを作って提供すればいい話ではあるんだけど、そういう自己犠牲を前提とした奉仕活動みたいなものは、よっぽど何か別のインセンティブがない限り、そうそう長くは継続できないと思うのよね。open source のコミュニティのページを見ていくとわかるけど、立ちあげるだけ立ちあげといて、リーダーがいなくなったらそのままの状態で放置されてる、というプロジェクトが無数にある。

ユーザが非常に少ないコミュニティで必要とされるサービスは、気合のある個人によるほとんど無報酬での運用に頼っている、なんてことも少なくない。そんなサービスは、その気合のある人が倒れたところで、サービスそのものも終わってしまう。こういう事態を避けるには、そういう需要が少ないアプリやサービスでも(個人に頼らず)提供していけるような組織と、それを継続していける仕組みが必要だと、最近思いつつあるところ。

ユーザ数が少ない場合、どうしてもサービスの経済的な収入は少なくなる。ユーザから代金を徴収して、その代金に頼ってサービスを運営するという方法が難しい。というか、これが難しいから営利企業がサービスとして提供しないわけだ。ではどうするか。私の答えとしては、

  • ユーザにサービスの運用やアプリ開発に参加してもらう

というところにあると思っている。しかし、ユーザに奉仕活動を強制的に求めるのでは、やはり長続きしない。そこで、ユーザが運用や開発に参加することに、実利的なメリットを見いだしてもらう必要がある。すなわち、

  • 参加度合いに応じて経済的にフィードバックが得られる

という仕組みが必要だと思っている。さらにもうひとつ、

  • 各ユーザへのフィードバックの分量はユーザ全体で決める

という仕組みを取り入れることが、重要なポイントになると思っている。これがないと、非常に野心のあるユーザが実利的なメリットだけを目的として、他のユーザの利益を無視した行動に走ることがあるからだ。あくまで組織継続の目的は、ユーザにメリットのあるアプリの開発とサービスの提供にあるのであって、個人や組織が利益を上げることではない。

・・・とまあ、こういうユーザ参加型のサービス提供の仕組みは、自治体の自治の仕組みとそうそう違いはなく、仕組みとして新しいわけではないと思っている。ただ、アプリやオンラインサービスの提供を目的として、目的毎にユーザが集まれるような枠組みは、ありそうでない気がする。