ラヴニカへの回帰 カード与太話: ウトヴァラのヘルカイト、彩色の灯籠


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ウトヴァラのヘルカイト/Utvara Hellkite

最近にしては珍しい感じの,伝統的「どっからどーみてもドラゴン」なイラストのドラゴン(ヘルカイトだけど).ちゃんとドラゴンブレス(しかも火)吹いてるし,飛んでるし,巨大だし,町襲ってるし,実にいいかんじ.こんなカード,ドラゴン収集家としては当然集めるしかない.しかし,このカードは高くなるのだろうか.それが一番重要な問題だ(独断).

神話レアだから,ある程度の値段になるのはしょうがないとして,能力的にはどうだろう.素で 6/6 飛行というのでも十分強い.その上,ドラゴンが1体攻撃するたび 6/6 飛行が出るという能力が半端ない.ドラゴンの雛/Dragon Hatchling をパワー 0 のまま攻撃させても 6/6 飛行が出るという,むちゃくちゃな能力.運用次第では,出したターンに 6/6 飛行をゾロゾロ出すこともできる.こんなのリミテッドで出されて,即除去する方法がなければ,投了するしかない級の強さ.一方で 8 マナという重さはネック.普通なら構築に入らないレベルではあるけど,RTR のマナ環境下ではこのコストはどうだろうか.出せるような気もするし,出せないような気もする.スタンダードでは雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite 君に席を譲りそうだけど,ブロック構築では出番がある・・・かなあ.


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彩色の灯籠/Chromatic Lantern

社交の達人/Joiner Adeptをアーティファクト化したようなカード.しかも自分自身もマナを出せる.3マナと重くはなったものの,無色になったのでどんなデッキにでも入れやすくなった.他にも似たようなカードにラノワールの脈動/Pulse of Llanowarや,虹色の前兆/Prismatic Omen がある.しかし,いずれも緑のカードだったし,自分自身はマナを出せない.そういう意味で,汎用性が大幅に上がった感じはする.多色なデッキであれば,4枚入るかは分からないにしろ,メインに数枚かサイドに数枚入るのではなかろうか.

ちなみに「彩色 (chromatic)」という単語の入ってるカードは,過去には3枚だけ.そのうち,彩色の宝球/Chromatic Sphere と 彩色の星/Chromatic Star はどちらも結構使われた色変換アーティファクトだけど,どちらも1回しか色変換できない.他には Chromatic Armor というカードもある.ただ,これは色変換とは関係がない.色変換という意味では「プリズム」という単語のほうが優勢で,天界のプリズム/Celestial Prism をはじめ,4枚のカードがある.これらは使い捨てではなく,何度でも繰り返して使える*1.という観点からすると,プリズムという名前がついてもよかったような気もしてくる.間を取って「彩色のプリズム」とか・・・ありそうな名前よね*2.土地から出るマナを灯籠*3で照らして色変換する,というようなイメージを持たせたかったのかなあ,などと勝手な妄想してみたり.

*1:五元のプリズム/Pentad Prism は回数制限があるが,使い終わっても墓地にはいかない

*2:ないけど

*3:Lantern は固定された明かりの「灯籠」じゃなくて,手で持つちょうちんみたいなモバイルな明かり(カンテラ)だから,この訳はちょっと違うきもする.まあ,カンテラっていうのは日本ではあんまり馴染みがないし,提灯じゃ絵とイメージが合わないから,意訳的に灯籠としてみたのかも