間違いだらけのピアノ練習法

なぜ上達しなかったかというと、

  1. ピアノ以外で練習する
  2. 誰にも習わない
  3. 譜面だけから曲を想像する
  4. 適当な運指で弾く
  5. ペダルを踏んだままで弾く

ということをしてきたから。これを実践すると、確実に上達しない。実際、全然上達しなかった間違いない。ていうか、ここまで間違いまくることもなかなか難しいと思う。

ピアノ以外で練習する

もともと自宅にピアノがなくて、60鍵ほどのエレクトーンで無理やり曲を弾いてたのが、間違いの始まり。このエレクトーン、タッチセンサがついてなかったので、軽く弾いても音が出た。しかも、どんな強さで弾いても同じ大きさの音が出た。そのせいで、指の力が全然つかなかった上に演奏に強弱を付けることを意識しなかった。これはかなり致命的だったと思う。

もうひとつ、鍵盤が上下二段に分かれていたせいで、ピアノと鍵盤の位置が違っていた。そのせいで、鍵盤の位置取りがピアノではできなくて、結果的にブラインドタッチが習得できなかった。どっちも後々修正がきかなくて、すごく困った。

誰にも習わない

ピアノを弾き始めた(正確にはピアノ曲をエレクトーンで弾き始めた)ときには結構な年齢になっていて、受験やら何やらでとてもピアノを習いに行く余裕がなかったというのがひとつ。その手のイベントが終わった頃には、今度は年を取りすぎて今更習いにいけないなーと思ってしまったというのがひとつ。

その後、ピアノの先生や演奏家の人たちと知り合う機会があって、練習しはじめて10年近くたって初めてピアノの練習法について話をきくと、自分がとっても非効率的な練習をしていることがわかって愕然とした。もし、もっと最初のうちに話を聞いていたら、断然上達の速度が違ったと思う。

譜面だけから曲を想像する

これは結構特殊かもしれない。曲を引き始めた頃は楽譜やレコードなんかを買う資金がない上に、どんなピアノ曲があるのかもあまり知らなかった。それで、好きな曲の譜面以外はたまたま手に入った譜面を見て、どんな曲か想像しながら弾いていた。さらに、人前で弾くことがほとんどなかったせいもあって、他の人からつっこまれることもなかった。

かなり後になって他の人の演奏を聴いたときに、あまりにも想像と違っていて驚いたことが何度もある。しかし、すでに「間違った解釈」で弾き慣れてしまうとあとから演奏を修正することは難しく、未だに変な弾き方しか出来ない曲がいくつかある。

適当な運指で弾く

弾き始めた頃は、とかく楽譜のとおりに音がでればいいと思っていた。そのため、指使いなんてことは全く考えず(楽譜の指定も無視して)、とにかく押しやすい指ばかりを使って弾いていた。そのせいで「その曲にしか通用しない」、応用力のないその場しのぎの指使いになっていた。また、音楽性ということを考えずに、押せること重視で運指を決めていたせいで、後から表情付けをしようとして運指を変更する必要に迫られ、非常に苦労することになった。

ペダルを踏んだままで弾く

デタラメな運指で弾けば、当然レガートな演奏なんてできるわけがないので、それをごまかすために常にペダルを踏んで弾いていた。このせいで、鍵を押す長さを意識しなくなった。これも、あとからスタッカートやテヌートを意識して弾きたいと思うようになった頃に、そういう癖がついてなくて、ちゃんと弾けるようになるのにかなり苦労した。

つまり

一番ダメだったのは、練習法を人に教えてもらわなかったことだった思う。今なら、インターネットで練習法を知ることもできるけど、やっぱり誰かに直接教えてもらう以上にいいことはない。

趣味でやる範囲では、毎週レッスンに通うことまでは必要ないと思う。でも、少なくともどういう練習をしていけばいいかは最初に聞いておくべき。できれば何人かのプロに聴いてみたほうがいい。その中から、自分に一番あってると思える練習法が見つけられれば、上達は間違いなく速くなる。すごーく当たり前なんだけど、昔はそうは思わなかった。

(つづく、かも)