ベートーヴェンピアノソナタ8番「悲愴」: Beethoven Piano Sonata no.8 (op.13) "Pathetique" 第一楽章 (12-51小節)

繰り返しになるけど、演奏難易度について客観的に知りたければ、コルトーのピアノメトードの巻末でも見たほうがいい。個人的な意見としては、この曲の第一楽章だったら、ツェルニー30番くらい弾ける腕があれば、「鍵盤を楽譜通りに押せる」レベルでよければ弾けると思う。曲が結構長いので、譜読みはそれなりに気合がいると思うけど。

12-51 小節

やや暗い序奏が終わった後に,軽快に飛ばしまくる第一主題が始まるのが 12 小節から.このメロディーも序奏に負けず劣らず(むしろこっちのほうがより)印象的なので、一度聞いたら多分忘れない。楽譜は結構スカスカなので弾きやすそうに見えるけど、ある程度の速度で正確に弾いていくのは結構難しいと思う。

  • 16-18小節、左手のオクターブ

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12小節から連続16小節の間、左手はずっと交互にオクターブ連打をするんだけど、これがなかなかしんどい。難しいと言うよりは、指の力に任せて強引に音を出してると体力というか握力が奪われて行く。とくにこの 16 小節からだんだん音を強めつつ D, E-, F, G, A-, F+, G と動いていくところは体力を使う。最初の C 連打から気合を入れていくと、最後の F+, G あたりではかなりの強さで鍵盤を叩くことになって、しんどいことになる。手首を使って省エネ打鍵すべきなんだけど、手首が固くてついつ指で叩いてしまう。

  • 29-30小節、右手のパッセージ

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ここの右手だけで弾いていく八分音符のパッセージは、音を揃えながら正確に打鍵しようとすると結構難しい。特に、30 小節の C, G, F+, C, A-, F+ のところは指の入替えも必要で、それなりの速度で弾くために練習が必要だったところ。

  • 36-37 小節、重音の連打

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第一主題と同じような重音の階段なんだけど、指使いが少し難しい。36小節の最後と 37 小節の最初の 5-2, 4-1, 4-2 という指使いの指定がある3つの重音を正確に打つのが難しかった。5-2 のあとの 4-1 で、4 の指の柔軟性が足りないせいもあって、B ではなく C の音を叩いてしまうことが結構ある。 指の間を開いたり閉じたりする速度が足りないせいもあると思う。ここは、手首もうまく回して押して行くしかない。でも、ここが綺麗に弾けるとなかなか気持ちいい。