ベートヴェンピアノソナタ14番(月光)嬰ハ短調第三楽章 30,32 小節のトリル

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30小節と 32 小節にある二つのトリルは、親指で持続音を押さえたまま、3-5 とか 4-5 で 8-9 度のトリルを弾く必要がある。10 度くらい届く手の人なら楽勝なのかもしれないけど、9 度がぎりぎりしか届かない&4-5が動かない私にとっては難所中の難所。30 小節はまだ 3-4 でも弾けなくもないが、32 小節のほうはどう頑張っても 4-5 でしか弾けない。しかも 5 の指はぎりぎり A# の黒鍵に掛かる程度。普通にトリルだけでも難しいのに、1 で持続音を弾かないといけないのがさらに難しい。

他の人たちはいったいどうしてるんだろうか?と思って Youtube で動画を見てみたところ、半分くらいの人はトリルを一切ひかずにすっ飛ばしてた。プロの人々は、何事もなかったかのようにさらっと弾ききってる。人によっては 3-4 で弾いてたりして、指の長さが羨ましい限り。

現状ではトリルを16分音符だと思えば(つまり反復1回だけ…反復じゃないし)弾けるという程度なので、これを反復2回まで増やすことを目標にしたい。各地でトリルの練習法について聞いてみたところ、地道に指を動かす以外の練習法はないっぽい。でも、ピアノがなくても練習ができる点はいいところ。

応用が効きそうにない解決法

何人かに聞いて回って試行錯誤したところ、以下のようにすれば「耳障りにならない範囲で」なんとか弾けそうだ。

  • 4-5 の指を限りなく上げない。つまり、鍵盤を半分くらいしか戻さない。
  • 最初の 1,4 のオクターブを弾く勢いで 1,4-5 とまず弾く。
  • その後で「指は動かさずに」手首だけ左側に浮かせて、もう一度 1,4 のオクターブを弾くつもりで 4 を弾き、その勢いで 5 を押す。

この方法だと、指をほとんど動かさなくていいのが良いところ。指さえ届けば、指の動きが悪くても問題ない。一方で、4 をおしたまま 5 を弾くことになるので、厳密に言えば譜面と違う弾き方になる。でも、そこそこ速い速度で弾ければ不協和音に感じずに済むため、それほど問題にはならない。もうひとつ、手首を浮かすタイミングを失敗すると「たたん、たたん」みたいにトリルが途中で切れる可能性はあるので、そう聞こえないように手首(というか腕)を動かす練習はそれなりに必要ではある。でも、真正面から指を動かしてトリルをするよりはかなり楽に弾ける。